そんなことできるわけがない。

わかっていて瞳は言ったのだろう。

私の伯父である理事長に報告なんていくら花ノ姫とはいえ、できるはずがない。



「ここ最近、真莉亜の周りで彼女を陥れようとしているようなことが起こっていました。心当たりがある方はいるのではないでしょうか」


……どうして瞳がそんなこと知っているのかしら。

それともプールの件や画像の件でさすがに私が狙われているって気づいた?



「それではこの中に犯人がいるように聞こえるわ。なんだか本日のあなたは少し攻撃的ですわね」

「友人が傷つけられて黙っていられるほど、私は温厚な性格ではないので。敵意を向けているのであれば容赦なく、自分のやり方でやり返します」


牡丹の君からは笑顔が消え、顔を顰めている。

そんな中、雅様だけは相変わらずの余裕な微笑み。


まあ、彼女は犯人ではないだろうし、私が追い詰められているのを傍観して楽しんでいるんでしょうね。