ひぃいい! なんてこった!
誤魔化したくても誤魔化しきれない。木に登っている令嬢。手には食べかけの枇杷。
そして、目があったのは薄茶色のサラサラな髪の人。その後ろには見覚えのある二人。間違いなく天花寺三人組。
「紅薔薇……」
誰かが私の『花ノ姫』の名前を呟いた。校舎違くても知られているんだ。
最悪だ。よりにもよってあの天花寺三人組に見られてしまうなんて。しかも私的には前世の記憶を取り戻して、ここが初対面なんですけど。
うわー、でもやっぱこの人たちかっこいいなぁ。特に天花寺は王子様みたいにキラキラして見える。雨宮は甘ったるい微笑みでかっこかわいい。桐生は訝しげに私を見ているけれど、顔はかっこいい。
うん、それよりこの状況どうしよう。
互いに黙り込んでいると、突風が吹いた。髪が勢い良く背後に流れ、長いスカートが裏地を披露するくらい大胆に捲り上がる。
「ひ……っ!」
それは一瞬の衝撃的な出来事だった。
捲り上がったスカートが自分の顔にばさっとかかる。太ももにすっと風が吹き抜けて、私のパンツがこんにちはした。