「本日の花会は、お二人は参加されますの?」

「ええ、もちろんですわ。真莉亜様は?」

そういえば今日って『花ノ姫』の集まりだっけ。雅様に言われるまで忘れていた。強制ではないけれど、用事がない限りはみんな参加している。

パピヨンと呼ばれている庭園でお茶会をするだけなんだけどね。多分、あの二人も参加するんだろうなぁ。



「私も参加いたしますわ」

にっこりと微笑み返すと満足した様子で雅様と英美李様が頷いた。


「それでは、放課後に」

二人と別れると、柱の陰からひょっこりとうさぎの人形が顔を出した。あれは……パペットだ。


「お主、男には気をつけたほうが良いぞ」

「へ?」

「……なにやら奇妙なオーラが出ておるからな。これは善意の忠告だ」

それだけ言うとうさぎのパペットが姿を消した。

あの人も『花ノ姫』の一員だ。少し変わった人で原作でもヒロインに何かと忠告をしてあげていたいい人だったはず。とはいっても、私はあまり関わったことないけど。


それにしても、奇妙なオーラとか男には気をつけろってどういう意味だろう。



「まーりあっ」

背後からぎゅっと抱きついてきたのが誰かは振り返らなくてもわかる。最近妙に私に懐いている彼女だ。