「天花寺様、してもらっておいて言える立場ではありませんが……あまりこういうことをされるのはよくないかと」
「どうして?」
私だからいいものの、令嬢たちは誤解してしまうよ。
まあ、スミレや瞳相手でも大丈夫だろうけど、他の子なら勘違いしてしまうかもしれない。
万が一学院の人に見られでもしたら大スクープ間違いなしだ。
「こういうことは大事な女性にしてくださいね」
「……じゃあ、問題ないよ」
ダメだ。伝わってない。問題あるんですって。
相手を期待させるだけじゃなくて、もしも私が素直に手を取っていたら、手を繋いでいることになってしまっていたんだよ。
「雲類鷲さんは、大事な女性だよ」