勝気な英美李様に対して、鋭い視線を浴びせている瞳。
瞳も普段あまり口を出さないけれど、スミレのことになれば別だ。
彼女が白百合の騎士と呼ばれているのは、スミレを常に守っているからだ。
「っなにを……私が間違っているとおっしゃるの?」
「スミレは間違ったことは言っていない。野良犬とか身の程知らずとか、失礼なことを言ったのは貴方だ」
スミレを責めようとした英美李様に瞳は静かに怒りを露わにしている。
彼女にとってそれほどスミレが大事な親友なのだろう。
英美李様も瞳の前でスミレを責めたらこういう展開になることくらい少し考えたらわかることだと思うんだけど。
「失礼ですって!?」
「英美李様!」
今にも怒りに震えてテーブルを叩きそうな英美李様の名前を呼び、こちらに視線を向けさせる。
このままだと英美李様と瞳の喧嘩がヒートアップするだけだ。