最終テストまで残り1週間。


俺は9月からカナダへ行くため、晴香とふたりきりになれる時間はほんとにこの補習のあいだだけだ。


残り少ない時間、晴香ともっと接したかった俺は、自分から晴香に勉強を教えることにした。


そしたら予想外に晴香の学力は危ない状況で、このタイミングで教えることができてよかったと思った。


だって、留年なんて絶対してほしくない。


俺は中学受験のことを思い出した。


紲からあんなに勉強を教えてもらっていた俺が、まさか教える立場になっているなんて、なんだかすごく変なかんじがした。


紲もきっと驚いているだろうな。