俺は、メールで大毅を呼び出した

部活が終わるまで教室で時間を潰している








美咲には適当に理由をつけて

先に帰ってもらった







どうしてと明日の

サッカーの試合になる前に

大毅と話したいことがあった











話と言うよりは俺が

言いたいことあるだけやけど








まあ、会って聞きたいことも

山ほどあるわけだし










とにかく、早く

大毅と2人で話がしたかった







「あ、遅ぇぞ大毅ー!」

「悪ぃな、部活が長引いた」

「はいはい、そーですか」

「明日試合だし仕方ねえって」







開き直りやがったけど

いちいちそんなことには

突っかかってられねえ








「なあ最近、朝練行き始めたのって試合が近いからじゃねえだろ?」

「何、気づいて聞いてるよな?確信犯かよ」

「ヘラヘラせずに真剣に答えろよ」






いくら引退試合でも

今まで行ったことのない朝練に

急に行くか?






ていうか、朝練いかないで

サッカー部のレギュラー





しかもキャプテンとか

凄すぎやろ







「なあ、美咲と何があったんや?別れた彼女にことしか俺聞いとらん。」

「普通に…俺が美咲を振っただけ」

「はぁ!?お前、何したか分かっとんか?」






久しぶりに声を荒げたけど

大毅は怯むことなく言葉を続けた










「他に気になる子がいる。そう美咲にも言ったけど徹は聞いてない?」

「っ…聞いたけど」

「だから、それが理由。それ以下でもそれ以上でもない。」









なぁ、大毅。

俺たち親友みたいなもんだよな?








なのに隠し事すんのかよ









「俺…お前なら、大毅ならって思った」

「…」

「ずっと前から美咲が好きだったんだよ、なのに…俺は、、、」

「ごめん」








なんで、そんな弱々しく謝んだよ









「見損なったわ、大毅…」

「っ…」

「これ以上………美咲を傷つけんな。強がらせんなよ…」














俺は、これ以上どうしようも出来ない

その悔しさを抑えて








言いたいことを全部吐き捨てた










「明日の試合は俺も美咲も見に行く事になってる」

「おう」

「でも、お前には会わねえかもしんねえ」

「そりゃそうだよな」







まあそれに、俺が美咲を

強引に誘っただやけし










無理に話させてもな








「美咲にかっこ悪いとこ見せんなよ」

「おう」

「目移りしたのがマネージャーでも美咲がいるってこと考えて行動しろよ?」

「わかった」






じゃ、帰るわ____








帰る方向は同じだが






生憎、一緒に帰る気力もないし

今日は帰りたいとも思わねぇ












俺は逃げるように

その場を去った