大毅とは同じクラスだけど

業務連絡みたいな事しか話していない





それ以外のことは話すこともなく

文化祭を迎えた





徹とは、違うクラスだけど

一緒に登下校をしている








この差はやっぱり幼なじみか

そうでないかの違い?








大毅はただの彼氏で

別れた今はなんの関係もないから?







ちがう、

私はまだ好きなのに






それを言うのが怖くて

もう拒絶されたくなくて








逃げてるだけ……なんだ








「あ、美咲!クレープの作り方お攫いしよ」

「おっけー、真央。すぐ行く」







レシピとヘラを持って

そこへ行く







「ねぇ、徹くんと何かあったの?」

「なんで?」

「徹くんといる時だけ美咲すごく楽しそうだから」

「そうかな?」






家庭科室で、具材を切ったり

クレープの生地を焼いたり








トッピングの練習をしながら

他愛もない話をする







「美咲、徹くんの前だとすごく自然に笑ってるよ」

「確かに、徹がいると大毅のこと忘れられるって言うか……」






大毅のことを考える余裕がなくなるくらい

楽しかったり

盛り上がったりする






「あのね、美咲」

「どうしたの、急に改まって」

「美咲がどれだけ大毅くんのこと好きなのかは知ってる」








大毅……

その名前を聞くだけで胸が高鳴る










「だけど、私は…徹くんといる時の美咲の方がいいと思う」

「え?」

「なんて言うかさ…大毅くんのこと考えてる美咲はずっと辛そうなの。」








それは、フラれた相手のこと

考えてるからじゃなくて?









「だから、美咲。私は徹くんを応援する」

「え?どういうこと?」

「あー、ごめん!気にしないで!」







徹の応援?

真央が、徹の何かを知ってるの?









「と、とにかく!徹くんといる美咲の方が私は好きってこと」

「うん」

「無理にとは言わない、けど…徹くんのこと少しは視野に入れてみたら?」








ーー本当に美咲のこと見てくれる人







この言葉……

誰が言ってくれたんだっけ?











ーー案外近くにいると思う










わからないけど

それが徹…ってことなの?












「美咲が1番辛い時・悲しい時・嬉しい時・楽しい時…沢山そばにいてくれたのは誰?」

「そ、それは……」








ーー美咲、遅刻するぞ




ーー高校、一緒だな美咲




ーー俺にくらい頼れよ




ーー美咲、お前なら大丈夫だ











「ぜ、全部……思い浮かぶのは徹だ」

「それが答えなんじゃない?」









これが、答え?







幼なじみとしてじゃなくて?















「美咲、1回幼なじみってこと忘れなよ」

「うん……」

「徹くんはしっかり男の子だよ」










いつもモテモテで

女子に囲まれて



ちょっとチャラかったりもする徹。










それでも、

ずっとそばにいてくれたのは









「よし、美咲!クレープもっかい作ろ」

「あ、うん。そうだね、」










徹だったね