「はぁー今日も疲れた」

「美咲、初心者なのにS(セッター)なんて大変そうだね」

「ほんとねぇ、大変すぎ。真央はテニス経験者で楽しそうだね」






1週間ある昼練のうち

今日は三日目でちょうど折り返し地点







これまでの疲れがもう一回来ると思うと

複雑な心境だ







「真央たちテニスの方は順調?」

「まあね!美咲たちはどうなのー?」

「んー、いい感じだとは思うんだけど…体力的にね」

「あぁ、体力なんて一石二鳥につくもんじゃないもんね」








たとえ、1週間

毎日走り込みしても





きっと体力なんて大してつかないだろう









やらないよりは

やった方がいいと思うけどね








「あ!徹くんがいる!美咲行ってきなよ」

「え?なんで」

「ほら、最近話してるところ見てないし」

「えぇ?でも登下校は一緒だよ…」

「いいから、早く!」







廊下を歩いていた徹の方に向かって

真央が私の背中を押した







「うわっ」

「った…なんだ、美咲か」

「なんだとはなんだ、徹」









というより、今私

徹に思いっきりぶつかったよね









「美咲、お前バレー出るってホントかよ」

「え、あぁ。そうだけど」

「お前出来んの?バレーとか初心者だろ」

「毎日昼練やらされてますよー」






ちょっと怒ったように言うと

何故か徹はわらっていた









「徹は、バスケでしょ?ほかは何に出るの?」

「借り物」

「へー、意外だな~。私も同じだけど」






借り物競走って

単純そうに見えて

実は難しかったりするのかな…?









なんて


ルールもよく覚えていなかった私が

考えても仕方ないんだけど







「そう言えば、クラスの男子が徹を怖がってたよ」

「え?なんでだよ」

「バスケ経験者いないから、徹にボコボコにされるのが怖いんじゃない」

「ふーん」







聞いておいてなんでそんなに

反応薄いんだよ







「大毅は、やっぱりサッカーか?」

「え、うん。そうだよ」

「そうか」

「なんで自分で聞かないのよ」








それは……と頭をかいて

言葉を濁す徹は


なんだか味気ない様子だ









やっぱり、私と大毅ご別れたことによって

話しにくいとかあるのかな……?






でも、そんなのあったら

サッカーの応援に行こうなんて

普通は誘わないよね







それに徹はそんなことで

友情を失ったりするようなタイプじゃない







そんなんじゃないから

人望が厚いのだろう







でも、それじゃあなんで…







徹はあんなに苦しそうに

目を逸らしたり






私に笑いかけたりするの?