5月は学校の3大イベントといえる

クラスマッチがある







うちの学校は、

高3は体育祭に出れないから







その分、ほかの学年とは

やる気の度合いが違うのだ








女子はバレーとテニス

男子はバスケとサッカー






団体でリレー、借り物競争







そんな在り来りなものだけど





私と大毅のクラスは

おかしいほどに燃えている








6月まであと10日しかなくて

もうすぐ梅雨だなって






ただでさえ浮かないのに

天気まで浮かなくなったらどうしようか










そんなことを考えるうちに

私が出る種目は勝手に決められていた









〝バレー〟と〝借り物競争〟









バレーってことは、

男子のバスケが見れないのか









大毅はきっとサッカーだろう







そりゃキャプテンだから

うちのクラスがそれを逃すはずがない










「はぁ……」

「美咲、今日も一段と浮かない顔ね」

「なんだ真央か」

「なんだとはなんだ」










真央は私の大切な親友

高校1年で初めて同じクラスになった





中学は別だったけど

それ以上に驚くほど馬の合う





どんなに辛いことがあっても

一緒にいると元気が貰える








私が大毅にフラれたことは

徹と真央しかしらない









「借り物競争ってなんだっけ」

「えー、話聞いてなかったの?」

「まあね」








ちょっとというか

かなり考え事してたな







「で、借り物競争って……」

「お題似合ったもの借りて走るヤツ!」

「え、めっちゃ大雑把……」

「美咲が話聞いてないのが悪い」











お題……か

どんなのかな?









好きな人とかは嫌だな

親友とか幼なじみとかもっと簡単で









楽なのがいいや








「美咲、バレーだったよね?」

「うん」

「サッカー見れるじゃん、どうすんの?」

「え、一人で見るのは嫌かな」







この前のは徹がいたから見ただけだし

1人とか絶対無理だよ








「んー、私はテニスの方だから一緒に見てあげれないんだよね」

「そっか、真央はテニス部だもんね」







なにかに熱中できるって

なんだか楽しそうで羨ましい











「そうそう、だから問答無用でテニスにされた」

「まあ、それだけ期待されてるんだよ」

「そーなんだけど」

「とりあえず頑張れ」








なんか納得いかない様子だけど

真央はテニス好きで



シングルもダブルスも

大会で頑張ってるみたいだし







うちのクラス

案外いい線いけるかも









でも、それより

バレーって学校の授業以外で

やったことないな……







そもそも運動が

すごく得意なわけでもないし








ちゃんとできるかな










「あ、美咲!バレー明日から昼練だって!」

「え、じゃあお昼一緒に食べれない?」

「そうなるね」







明日の食堂のランチ

楽しみにしてたやつだったのに残念だな






「まあテニスも練習あるだろうし体育祭までは難しいね」

「そうだね」








こうなったら

体育祭、勝って楽しみたいかも








「お、美咲やる気じゃん」

「バレー上手くできるかわからないけどちょっと頑張ってみようかな」

「お、その意気だぞ!」

「真央もでしょ!」







体育祭終わったら

打上げとかあるかな










なんだか少しだけ

楽しみになってきた