あるいは、もしかしたら、この世界は既に終わっていたのかもしれない。

誰一人、そうと気づかぬうちに、終わりを迎えていたのかもしれない。

それは、本当に一瞬のことで、何物も関知できないほどの、せつな、だったのかもしれない。

全てが、なにもかもが、なくなってしまったのに、それを知らず、それに気づかず、すごしているのかもしれない。

人の精神だけが、全てのものの意識だけが、物理的な終わりを認識する事無く、はじきだされるのかもしれない。




そして、また、はじまるのだ。