少女は、ため息をついて髪をかきあげた。

と、その髪が、白くなっているのに気づいた。

それはそれは見事な金髪だったのが、老婆のような白髪にかわってしまったのである。

少女は、驚愕の悲鳴をあげた。

しかし、その声はすっかりしわがれ、かすれてしまって、誰に聞こえるというわけでもなかった。

少女は、がっくりと肩を落とした。

こんな姿では、生きる希望もなにもない、と思った。

そして、自分はいったい、何になろうとしているのかしら、と不安になった。

もしかしたら、このまま、緑色の醜い化け物になって、朽ち果ててしまうのじゃないか、と思った。

一人くらい、そんなことになったって、おかしくない。

だいたい、人が獣に変わるということじたい、いつからそうなってしまったのか、何故そうなってしまったのか、誰にもわからないのだから。