この街は、もうすっかり、獣の街になっていた。

皆、体のあちこちを変化させた半獣人ばかりだ。

それでも、気持ちは人間のつもりなので、まだ、街にしがみついている。

しかし、それももう、時間の問題だ。

彼らも、いつか、完全に変化して、思い思いの所へ散ってゆくのだろう。

そして、この街は、自然に消失する。

多分、いくつもの街が、そうして消えていったのだ。

何人もの人々が、そうして、別れていったのだ。

少女は、ほとほと疲れ果てて、ちょっとそこいらに腰をかけた。

こんなことなら、もっと体の自由がきくうちに移動すればよかった、と乱れた呼吸を整えながら、後悔した。


まあいい。

でも、まだ、動ける。