「でも、あったのよ。あたしは、今度こそ、あれを確かめようと思って……」

少女は、喋りながら、自信がなくなってきた。

たしかに自分は、あれを確かめようとして、煙に向かって行ったのだ。

だが、街外れの草原まで行ったとき、また、あの声が聞こえてきて……。

あの声は、どうしていつもあの場所で聞こえてくるのだろう……?

本当に、子宮の中の胎児の声なのだろうか?

そういえば、今日は、あの草原に、たんぽぽが咲いていなかったかもしれない。




たんぽぽ?