しかしながら、少女は、自分が何に変わろうとしているのか、とても興味があった。

緑色だから、孔雀のような見事な羽を持った鳥かしら、などと、胸をわくわくさせたりもした。

鳥になったら、恋人の所まで、飛んでいけるかもしれない、と切ない想いを抱いていた。

宇宙空間を飛べる鳥など、いはしないのだが、そんなことすら、どうでもよかった。

少女が、その緑色に変わりかけた指先で、顔を洗っていたとき、足元から脳天を突き抜けるような震動を感じた。

「あっ……」

強烈な既視感にとらわれて、その場にたちすくんだとたん、ドドォォーンというすさまじい破裂音が、空気を震わせた。

反射的に少女は地面に伏せて、激しい揺れに耐えた。

目を見開いて、声の無い叫びを上げつづけた。