自分だって、いつかは鳥や獣になって、わけもわからず、未開の広野を駆け回ることになるかもしれない。

「抱いて」

少女は、口走った。

サブローの逞しい腕が、少女の官能を刺激していた。

この腕に抱かれてているひとときは、なにもかも、忘れられるかもしれない。

そんな想いが、少女を淫らにさせた。

そしてサブローもまた、その言葉に逆らえなかった。

少女は、未完成な女の、危ない魅力に溢れていた。

子を孕んだ女は、一種独特の生き物になる。

それが、たまらなく神聖で犯し難く、それでいて、むしゃぶりつきたくなるほど、蠱惑的であった。