『ピンポーン』

チャイムを鳴らしてから鍵が開く音がした。

「……和詞。」

俺の顔をみて柚姫はドアを閉めようとした。

「全部、尋から聞いたよ。」

柚姫がドアを閉めようとしていた力が弱くなった。

俺は玄関に入った。

「辛かったよな……。苦しかったよな……。でもな柚姫…俺は柚姫を一人にはさせない。」

いつの間にか柚姫の頬には涙が流れていた。

「もう……、大丈夫だから。柚姫には俺がいる。」

柚姫の涙を拭いた。

「柚姫の悲しい涙は俺、見たくないよ？」

涙が流れ落ちないように、目尻にキスをした。

「柚姫の何を知っても俺は柚姫が好きだよ……。」

「…ッうん…。」

………………そう言って二人の唇は重なった。