「智尋!いつもこんなことしてんの?」

柚姫が俺に手を出しながら、尋に文句を言っている。

「だって、俺…和が好きだもん!」

…そんなこと言われても…

でも、柚姫と尋ッて知り合い?

尋の友達はだいたい尋のことを智尋とは呼ばない。

けど柚姫は尋を智尋ッて呼ぶし、尋は俺達と同じ中学で、柚姫はちがうはず…

「「兄妹です」」

二人の声がそろう。

「………えぇぇ~~」

今度は、その場にいた人が叫んだ。

「絶対ないッて!この二人が兄妹とか」

祐芽が絶叫しているなか、考えてみると、おかしな所が…

「でも、中学は柚姫違うよね?」

俺が柚姫に質問を投げ飛ばすと、尋から帰ってきた。

「柚姫は頭いいから、私立言ってたんだ!けど、毎日、遠いとこまで行くのが嫌になって、こっちの高校に来たんだぁ」

……そういえば柚姫、中学は私立っと言ってたな……。

『キーンコーンカーンコーン』

チャイムがなってからすぐに、桐原が入ってきた。

「HR始めるぞ~!」

そう言ってHRが始まってすぐに、睡魔に教われる俺。

「やべぇ、超眠い…」

そう考えてるうちに、いつの間にか、眠っていた。

他の授業もほとんど寝ていた。

別に昨日の夜、遅かった…ッて訳でもないのに、静かな授業になると眠たくなる。

今日の授業は無事に全て、終了した。

「ヤバい…ノート取ってねぇ。」

頭をかきながら鞄に教科書を詰め込む。

「和君、あのさぁ、…和君寝てたよね?ノート書いてなかったら、私の貸そうか?」

柚姫が俺の所に来て、ノートを持ってきてた。

「借りる!!ありがとな?」

それを聞いた柚姫は、ニッコリ笑って、祐芽の所に言ってしまった。

家に帰って早速、柚姫に借りたノートを開く。

細かく書き込んであるノートは、俺のとは全く違っていた。

1教科終わった頃には、すでに俺は寝てしまっていて、柚姫にノートを借りた意味がなくなってしまった。


翌日………


教室に入った俺は真っ先に柚姫の所へ行った。

「柚~姫!ノートありがとな」

持っていたノートで、柚姫の頭を叩く。

「ゴメンネ。迷惑じゃなかった?」