「んっ………」

どこ……ここ………たしか……知らない子に呼ばれて体育館の裏に行ったら何かスプレー吹き掛けられて……。

なんかヤだよ……怖いよ………助けて。

「やっと起きた。」

「?……苺?」

「柚姫が目ぇ覚ました!」

「え?……なに?苺……冗談、一緒に家行こうよ?」

わけ………わかんないよ。

『ガラガラガラ……』

私の目先にあった大きなドアが開いた。

「ハァッハァッ………柚姫!」

涙が溢れた。助けに来てくれた。

「……和君…………!!」

和君が……助けに来てくれた……。

「柚姫?……」

バイクの音がして後ろから、悟君と祐芽も出てきた。

「尋達は……まだらしいな……」

智尋も来てくれてるの?

「……何が目的だ?」

和君が私の横に座ってる苺に話しかけた。

私は和君からゆっくり目線を苺に移しす。

「目的……?ムカついたから。てか、仕方なくね?アタシは何回も言ってるよ?『どうなっても知らねぇ』………って。守らなかったんだから、当然じゃん?」

……倉庫中に苺の声が響き渡って、静まりかえった。

「…………柚姫、こっち来い。」

「うん……」

そう言った。立とうとしたのに……手が使えなかった。

縛られてる…。

「すぐ帰っちゃったら、連れてきた意味ないじゃん?」

苺は立ち上がり、ヒールを鳴らしながら後ろへ歩いていった。

「柚姫!すぐほどくから」

和君がこっちに走って来る前に

「何してるわけ?」

苺が帰ってきた。