「柚姫、おはよー」

和くんが迎えに来てくれた。

「オハヨ♪」

「行こうぜ」

いつもの朝……私が一番好きな時間。

空はいつもより蒼く澄んでいた。

「なぁ、柚姫……?」

「ん?」

私が振り向いた瞬間

「…スキ……」

キスした。

「かっ…和君?」

和君は

「行くぞ♪」

何事もなかったように

「えっ…あっ……うん」

私の手を引いていった。

学校の近くについて友達が見てても、和君は手を離すことはなかった。

私は恥ずかしいはずの和君の行動が無性に嬉しくて、顔を赤くしながらも学校に入ったんだ。

「ねぇ、和君?」

「何だ?」

……………………………………………………………………

「……柚姫?」

私は和君の耳元で

「私もスキ」

囁いた。

和君は驚いたように私を見た。

私の顔よりも、和君の顔が赤くって……

「行くぞ!」

また私の手を引っ張った。

「柚姫!オハヨッ」

教室につくと、祐芽に会った。和君はどっか行っちゃったし……。

「オハヨ!」

「さっき、和詩と手ぇ繋いでた……………」

「桃井柚姫いる?」

ドアを思いっきり開けて私の名前を呼んだのは………。

見たことのない、同級生。

「顔貸せ」

私は逃げることも出来ない雰囲気にゆっくりと付いていく。