「祐芽!悟!オハヨー」

私の後ろから和君の声がした。

ベランダで外を見ていた祐芽達も振り向く。

「オハヨッ!……ねぇ、今の話し聞いてた?」

さっきのだよね……

「よくわかんないけど、行くとか………行かないとかの話し?」

私が口を開くと、こんどは後ろにいた和君が口を開いた。

「何の話し?」

祐芽と悟くんは目を合わせてただただ………笑うだけ。

その時はなんにも気にしなかった。内緒話かな?って思っただけだから。

「アッ!和詩君、オハヨ!」

声のした方を見ると、苺が立ってた。

「苺ちゃんが……柚姫の古語辞典を隠したのか?」

「かーずっし君♪朝の挨拶は………オ・ハ・ヨ………だよ?」

ゆっくり歩いてくる苺は和君のおでこを突っついた。

「聞いてんだよ。」

……………………

「…はぁぁ……」

教室の真ん中に行った苺。

苺は私達の方を向いて溜め息をついた。

「そうだよ?悪い?だって、アタシ言ったはずだもん。………どうなっつも知らない………って。聞いてないからこうなるんだよ?」

…………………

少し沈黙が続いて

「あのさぁ……」

先に口を開いたのは

「最後の忠告したげる♪」

苺だった。

「どうなっても知んないよ?………アハッ」

教室を出ていき、風のように消えていった苺の姿はまるで………。

「柚姫!気にすんなよ?大丈夫だって。」

そうだ。アタシはもう、一人じゃないんだ、……皆がいるから、怖がることないよね。……うん。そうだよね。

「大丈夫!私は、強くなる。そんで、守られるんじゃなくて、皆を私が守るの♪」

私の発言に皆が笑った。

「それは、大きい願いだね!」

祐芽は笑っていた。

悟くんも。

もちろん………

和君も………

そして・・





私、自身も。