「やっと、追い付いた。………って、悟は?」

和君が私達に追い付いた時、悟君の姿が見当たらなかった。

「悟なら、前にいるよ?」

祐芽が指差した先を私と和君は見ていた。

「悟君、さっきまで後ろにいたのに……」

「悟はピンチになると、早いんだよな…昔から。先生から逃げるときなんかは特に。」

走っているうちに、自転車を置いた、門のところまで着いた。

「何で、祐芽と柚姫は授業中に来ちゃうの?」

私達三人がつくと、悟君は私と祐芽の頬をつねった。

「だって、時間とか気にしてなかったし。てか悟、痛いよ……」

私も痛かったので、コクリと頷いた。

「あっ……ゴメン。まぁ、上手く逃げれたから良いけど♪」

悟君は私達の頬を離して、スキップして回った。

悟君って、こんなんなんだな…………

って私、失礼?

口には、出さない方が身のためだよね……?

「まぁ、それはいいから、どこ行くわけ?」

和君の静かな声に、思わず心臓が、高鳴った。

ドクンドクン………
ドクンドクン………

あぁぁぁ………静かにしてよ。私の心臓!!!!!

「まぁ、適当にって感じかな?…ねっ柚姫★」

「へっ?ウン。そぉだね♪」

いきなり祐芽が私に振るもんだから、声が裏返ってるし。

「アッハハハ……柚姫、声が変だし!」

和君が笑った。

つられて私も笑顔になった。

「やっぱり……」

和君がまた口を開けた。

「えっ?何」

続きが聞こえなかったから、聞き返した。

「やっぱり、柚姫は笑顔のほうがいいなぁ。。。。って思って。」

私の頭を撫でながら。

「そう……かな…?」

恥ずかしくて下を向いてしまった。和君の言葉が、嬉しくって……私今、幸せな気持ちでいっぱい。






「あのぉ~