『ガチャ』

屋上のドアが開く音がした。

「和君?と…………」

「悟?」

ドアの音で、後ろを向いた、私達。

「柚姫~!ここにおったんか!心配しただろ~☆」

和君が私の頭を軽く叩いた。言い返せなくって、下を向いた。

「祐芽。アリガトな……柚姫と一緒にいてくれて……」

祐芽にお礼を言った和君の顔を私は見上げた。カッコ良くて、見とれてしまった。

「和君……心配かけて、ゴメンネ?」

和君はすぐに私の方を見て笑った。

「まぁ、祐芽も一緒だったし、許す♪」

和君の手が、私に近づいた。

「痛ッッ…」

鼻先に目をやると、和君の指があって、私の鼻をつまんでいた。

「じゃあ、行くぞ!」

「…待って!」

私の手を、引っ張る和君に声をかける。

不思議そうに、私を見てくる和君。

「あのね?今日は、祐芽と学校、サボるから!私、教室には行かないよ」

和君と悟君も驚いた顔をした。………説明が足りない?

「わかった☆じゃあ帰るなぁ!悟、行くぞ。祐芽……」

和君は最後に、祐芽に話しかけた。

「今日1日、柚姫を頼むぞ!」

私は、顔が赤くなった。そんなこと言わなくてもいいのに。………

『ガチャ』

屋上のドアが閉まって、また私と祐芽の二人きりになった。

「柚姫、愛されてんねぇ。私、任されちゃった。」

うぅぅ~……

言われると思った。

「ねぇ、祐芽!今から、遊びに行こうよ!」

いきなりの提案で、祐芽は驚きを隠せない。

「そだね。行こっか!」

私達はそういって、屋上を、飛び出して、階段をおりた。

でも…

そんな、楽しみも束の間……目の前には、、、、、

「苺…」

仁王立ちで立つ、苺の姿。

「教室にいないから、家で、引きこもってるのかと思ってた!」

……何しに、私が引きこもらなきゃなんないのよ…。

「あんたさぁ、何言ってんの?あんたが決めることじゃないんじゃない?」




祐芽?………