「掃除終わったんだけど……。」

…俺空気読めてなかった?

「柚姫ちゃん、二階行こっか…」

え…ちょッ…

俺を置き去りにして二人で二階に上がっていく。

「…わっけわかんねぇ……」

ソファーにドカッと座り天井を見上げた。

「大丈夫かな…俺の理性」

柚姫が愛しすぎて、理性が揺れ動く。

無理に手ぇ出したくねぇしなぁ…。

でも、柚姫と一緒にいられるんだ…。

ずっと…ずっと…

それだけでも、嬉しくて仕方ねぇ。

いつのまにか俺は天井を見上げたままニヤニヤと笑っていた。

「…和詩、大丈夫?」

「まったく、これだから男は…」

後ろから声がしてバッと振り向くと、俺をみる柚姫と呆れてキッチンに向かう母さんがいた。

「まだ部屋の片付け終わってないんだから、変な事考えてないで手伝いなさいよ…」

母さんが夕飯の準備をしながら言う。

「変な事なんて考えてねーし」

立ち上がりながら柚姫をつれて二階に上がった。

「片付けって言ってももうほとんど終わってるよ??」