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手紙を読み終えた俺は無意識のうちに柚姫を抱きしめていた。

「苦しかったよな……。今まで、全部抱え込んで……。」

柚姫の涙が少しずつ流れて俺の服を濡らしていく。

「舞ちゃんはいい人だな……。最後まで柚姫を思ってくれてたんだ。」

声をあげて泣いてる柚姫は何度も何度も頷いた。

「舞ちゃんが死んだのは柚姫のせいじゃなかったんだ。…だからもう、自分を責めんなよ。」

いつの間にか俺も泣いていて……。

二人して玄関で泣いて少し落ち着きを取り戻していった────────────────…………。

「もう、大丈夫か?」

少し鼻水をすすりながら柚姫の頭を撫でる。

「うん。」

「俺も柚姫に見せたいものがあるんだ……。」

ちょっと待ってて、そう言って俺は部屋へ向かう。

取り出したのは父さんにもらった手紙。

「柚姫……。」

玄関に戻って柚姫に手紙を渡した。

「和詩…これ……。」

「俺が父さんに貰った手紙。……柚姫と同じだよ。」

柚姫は手紙を読み進めていく。

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しばらく続いた沈黙。

その時にはもう手紙を読み終えていて…。

「和詩が私に会いに来たのはこの手紙を読んだから?」

「そうだよ……。柚姫を…大切な人を俺は、守れてなかった。」