「久しぶりの登校でこれ作っていたら、案外時間掛かっちゃって、いつもの約束の時間に間に合わなかったの。」


私は片手に持っていたお弁当を鞄へしまうと、青色の水玉模様の手ぬぐいに包んだお弁当を取り出し、優の前に差し出した。


「優、今日は生徒会の仕事で、入学式の片付けがあるから遅くなるって言ってたし…
お腹空いたら可哀想だと思いまして。」


上手い言い訳も、結局見つからなかった私は、正直に遅れた理由を話すことにした。


「姉ちゃん、自分の弁当は家に忘れてたのに、優兄の弁当はしっかり持ってきてんのな。」


和真は呆れ顔で私を見てきた。


確かに自分のお弁当は忘れかけたから、反論が出来ない。


「結愛姉ちゃん、自分のことより人のこと優先する、優しいとこあるからね。」