「遅い!」


表札前では案の定、腕組をし仁王立ちした優が待っていた。


「ごめんなさい!えっと…その…」


「姉ちゃん、優兄怒らせてやんの。」


優の怒りが頂点に達する前に、上手い言い訳はないかと考えるも、浮かばなくて困っていると。


優の左側から顔を出した和真が、面白がってチャチャをいれてくる始末。


和真に目線をやり、睨み付けるも全く効かない様子。


藁にもすがる思いで助けを求める合図を送るも、ケラケラと笑って助けてくれず…


姉のピンチになんとも薄情な弟を持ったと落胆した。


そんな中、洸が私たち兄弟の様子を見て、助け船を出してくれた。


「結愛姉ちゃんも悪気があったわけじゃないんだから。」


洸は優の顔色を伺いながら、何とか優をなだめようとしてくれた。