「姉ちゃん、こうなったら優兄は止められないから。一部始終を見る限り俺らが何言っても無駄だ。」


洸なら助けてくれると思ったが、和真に同意見らしく横で頷いていた。


「池田会長どうしたのかな?なんかめちゃめちゃ怒ってない?」


私たちを見て周りがザワザワとしてきた為、騒ぎになる前に優の機嫌を直そうと意を決して足を止めた。


ゆっくりと優の方へ振り返ると、優に不意討ちでデコピンをされた。


「イタッ!優、何もデコピンしなくても。」


「姉ちゃんが悪いんだから、それくらいで済んで良かったと思え。」


私は前髪を掻き分け、おでこをさすると、ヒリヒリしているのが分かった。


「バカ結愛!!転ぶぞって言ってる側から転びそうになって。俺が居なかったら怪我してたぞ。」


学校での優は普段人前で怒ったりしない。


注意くらいはするけど、その人に配慮して場所を選んでいる。