「ママ、前の日からビデオ準備してたよ。新入生代表の挨拶、緊張して噛んだりしたら、バッチリ記録に残るから。」


「原稿なんて頭にとっくに入ってるよ。緊張する意味が分からない。優兄だって在校生代表で話すんでしょ?」


「まっ、俺は慣れてるからね。暗記も完璧だし、まず俺が噛むことはない。」


「自画自賛しなくていいから、2人ともどっからその自信が出てくるのよ。」


2人とも得意気に話してた。


確かに、今まで優は人前で緊張したり噛んだりとかなかったなー。


どんだけ完璧なのよ。
思わず心の中でツッコミを入れてしまった。


「本番は何あるか分からないんだからっ!2人とも気を抜かないで頑張ってね。」


2人のことだから心配してないけど、よく緊張しないよね。


私だったら、人前で緊張のあまり卒倒しちゃうよ。


「僕も和真と優兄の式辞、楽しみにしてるね。」


「任せとけ、バッチリ決めてやる。」


余裕そうな2人を見て、なんだか私の方が緊張してきたみたい。