「昔からぬいぐるみがないと、夜も1人で眠れない姉ちゃんがね。」
思い出に浸っていると、和真が本当か疑うような目で見てきた。
「なによ、和真だって1人で眠れない時は、私の布団に潜り込んできたくせに。」
和真は、昔の話を暴露された怒りと、恥ずかしさで顔を赤くした。
「ばか!そんな昔のこと持ち出すなよ。姉ちゃんこそ、今でもぬいぐるみ抱えて寝てるだろ。」
「そんなの別にいいでしょう。」
「1人で寝られないなら、優兄に添い寝でもしてもらえば。」
「和真は、俺を巻き込むなって。結愛も、いい加減にしろよ。」
「「はーい。」」
私たち兄弟は、プチ喧嘩の仲裁に入った優に叱られて、トボトボとまた歩き始めた。