「昔から優がそばにいると、眠くなるんだよね。」


「なんだよそれ。」


またまた、突拍子もないことを呟くと、優は目を丸くしていた。


「子供の頃は、いつも一緒にいてお昼寝もしてたでしょ?」


「あぁ、まぁな。」


優の方に目をやると、私とちょうど目が合い、今度は眉が少し下がって目を細めていた。


優は優しい顔をしていた。


「刷り込みなのかな。優の匂いがすると、安心して眠くなっちゃうんだよね。」


それは幼い頃の記憶。


と言っても、私にとってはついこの間のことのように思い出す。