「優って良い匂いするよね。」


女の子にとっては羨ましいことだよ。


「なんだよいきなり。」


優は私の突拍子もない言葉に驚いていた。


「洸とはまた違った優の良い匂いがした。」


ほらまた、風か運んでくる優の香りが、私の鼻をくすぐった。


「姉ちゃん、変態発言。」


和真はボソッと呟いた。


「和真、うるさい。」


「優兄は香水とか使わないよね。」


「ん?あぁ、まあな。」


「シャンプーじゃないかな?」


「そうか?結愛だっていつもシャンプーの匂いするけど。」


優は私の髪に指を通すと、私の頭に顔を寄せて匂いを嗅いだ。


「結愛姉ちゃんも、良い匂いするよね。」


「そうかな?あんまり感じたことないけど。」


自分の長い髪を前に持ってきて匂いを確認するけど、よく分からなかった。


「自分じゃあんま分かんないだろ。」