結愛は自分のことが噂になってるとは露知らず。


結愛に悪い虫がつかないようにと、俺の気苦労は絶えない。


結愛は自分が可愛いことに気付いてないから。


そろそろ自覚してくれよな、お前のその無防備な笑顔にどれだけの男が虜にされているか。


幼いながら感じたこの思いは、大人になっても消えなくて、次第に強くなっていた。


いつからだろう、結愛を幼なじみとして見れなくなったのは。


俺の全てをかけて、お前を守る。


そう言えたならどんなにいいか。


この気持ちが大きくなる一方、幼なじみという関係を壊したくない自分がいた。


隣にいるだけで、無条件に笑ってくれる。


俺はいつの間にか臆病になっていた。


いつも一緒にいて、いつでも言えると思ってた。


知らなかったんだ、好きの2文字を言うのがこんなにも難しいってことを。