「和真、結愛怒らせるなよ。」


藍沢家恒例の私と和真のプチ喧嘩が始まった。


「姉ちゃんが、夢見がちなロマンチストみたいなこと言ってるからだろ。」


「夢見て何が悪いのよ。ちゃんと現実の喜びを噛み締めてるじゃない。」


「結愛姉ちゃんは、感受性が豊かだからね。」


洸はニコニコしながら、私の味方になってくれた。


「洸也の言う通り、結愛は毎日の日常に充実感を感じ、小さなことに感動してる。」


「現に、4人での久しぶりの登校に、幸せを感じてるみたいだしな。今も昔も、脳内お花畑だから。」


優もどうやら私の味方みたい。


脳内お花畑ってのは少し引っ掛かるけど。


「ちぇっ、洸也も優兄も姉ちゃんの肩を持つのかよ。」


「まっ、そういう事だよ!和真もお姉ちゃんを見習って!」


和真は肩を落として、深いため息を着いた。