「優兄は素直じゃないなぁ。」


「和真!」


「やべっ。」


優は和真を思い切り睨み付けていた。


私が考え事をしている間、和真が優に何か言ったのか、優はまた怒っていた。


和真の奴、せっかく優の機嫌が直ったのに、また怒らせたな。


優から出る、これ以上喋るなオーラを見た和真は、狼に襲われそうになったリスみたいに震え上がっていた。


2人の険悪なムードの中、腕時計を確認すると、家を出てから時間が経つのは早く、さらに10分経っていた。


「優、もうこんな時間。生徒会の集合時間に遅れるよ。」


「おっと、こんな時間か。和真、覚えておけよ!さっさと学校行くぞ。」


私たち4人は、少しだけ急ぎ足で学校へ向かった。