放課後になり、校門へ向かった

空は綺麗なオレンジ色に染まっていた

「そういえば、またあの夢見たんだよね」

『あの夢?』

「あれ言ってなかったっけ?あいちゃんの話」

『なにそれ』

「なんかさ、あいちゃんって女の子と俺が遊んでて、結婚しようねとか言ってるわけ。でも俺あいちゃんなんて知らないし、いつも起きると泣いてんだよね」

『怖っ』

「しかもあいちゃんって子、あおいに似てるんだよ」

『やめてよ。私、あいちゃんじゃなくてあおいちゃんですー』

「そんなのわかってるし笑
何回かその夢を見るんだけど、あいちゃんって誰なんだろう、俺の初恋?昔の記憶全然ないからわかんね」

『呪われてんじゃないの〜?笑』

「おい!やめろよ!笑」

私は知らないふりをしてからかったけれど、それは紛れもない私たちの話。

14年前の話。