それから俺たちは、
3人でのルームシェア暮らしのような
生活が始まった。
朝1番にマサが起き、
7時に俺、林は一向に起きない。
いや、起きようとしない。
一度起こそうとした事があったが、
凄い剣幕の顔で睨み付けられたので、
それ以降はなるべく起こさないように
している。
学校から帰り1番に部屋に入るのは
俺、マサ、林の順番だ。
マサは部活で遅くなるらしいが、
林の理由は誰も知らない。
聞いても素っ気ない返事が
返ってくるだけだ。
ある日、珍しくマサが俺と
同じタイミングで起床した。
「今日さ、(俺)の世界に来ない?」
早めの準備を整えて、
親に姿を見られないように注意しつつ、
玄関の扉を開けるとそこには
新しい外の景色が広がっていた。
いつもとは違う通学路、
数えられない程のビルの数々。
通学途中に駅の乗り換えが
あるらしく、人混みに踏み込むが、
あまりにも複雑で酔いそうになった。
マサが居なかったらきっと
迷子になっていただろう。
その後も駅という駅を
乗り換えたが、
未だ学校に着く気配がない。
こんな都会に訪れたのは初めてだ。
マサは一体どんな学校に
通っているのか。
とても新鮮に感じた。
ある道で左に曲がった。
見慣れない住宅街の細道、
この道は学校への近道らしい。
俺は朝食であるコンビニで買ったパンを
食べながらもう1人の自分に
付いて行った。
「やっぱりこれおかしいだろ。
何で俺がお前の制服を
着なきゃいけないんだよ。」
長袖のシャツに赤いネクタイ、
灰色のズボン。
そう、今俺はマサの制服を
着させらせている。
「まあ、そう言わず。」
笑顔で応えたそいつは
良い事があるからと言った。
目尻にはシワが寄っている。
その姿を見て、こいつの世界は
相当楽しいものなのだろうと感じた。
学校立ち入り禁止と書かれた柵を越えた。
今は誰も使わないような棟の階、
ここでようやくマサは立ち止まった。
「この後の授業、
(俺)の代わりに出て欲しい。」
3人でのルームシェア暮らしのような
生活が始まった。
朝1番にマサが起き、
7時に俺、林は一向に起きない。
いや、起きようとしない。
一度起こそうとした事があったが、
凄い剣幕の顔で睨み付けられたので、
それ以降はなるべく起こさないように
している。
学校から帰り1番に部屋に入るのは
俺、マサ、林の順番だ。
マサは部活で遅くなるらしいが、
林の理由は誰も知らない。
聞いても素っ気ない返事が
返ってくるだけだ。
ある日、珍しくマサが俺と
同じタイミングで起床した。
「今日さ、(俺)の世界に来ない?」
早めの準備を整えて、
親に姿を見られないように注意しつつ、
玄関の扉を開けるとそこには
新しい外の景色が広がっていた。
いつもとは違う通学路、
数えられない程のビルの数々。
通学途中に駅の乗り換えが
あるらしく、人混みに踏み込むが、
あまりにも複雑で酔いそうになった。
マサが居なかったらきっと
迷子になっていただろう。
その後も駅という駅を
乗り換えたが、
未だ学校に着く気配がない。
こんな都会に訪れたのは初めてだ。
マサは一体どんな学校に
通っているのか。
とても新鮮に感じた。
ある道で左に曲がった。
見慣れない住宅街の細道、
この道は学校への近道らしい。
俺は朝食であるコンビニで買ったパンを
食べながらもう1人の自分に
付いて行った。
「やっぱりこれおかしいだろ。
何で俺がお前の制服を
着なきゃいけないんだよ。」
長袖のシャツに赤いネクタイ、
灰色のズボン。
そう、今俺はマサの制服を
着させらせている。
「まあ、そう言わず。」
笑顔で応えたそいつは
良い事があるからと言った。
目尻にはシワが寄っている。
その姿を見て、こいつの世界は
相当楽しいものなのだろうと感じた。
学校立ち入り禁止と書かれた柵を越えた。
今は誰も使わないような棟の階、
ここでようやくマサは立ち止まった。
「この後の授業、
(俺)の代わりに出て欲しい。」