覚えのある
感覚だった
さらさらと
滑るような
髪…………
長い指…………
シュウ…!
光の中に
シュウが
いた
シュウ!
なんで
死んじゃったの!
アタシ
ごめんねも
さよならも
シュウに
言ってないのに!
シュウは
少し困ったみたいに
アタシを見つめた
半分笑って
半分沈んでいる表情
それは
アタシに
何を言われるのか
分かってるからだね…
アタシも一緒に
連れてって…………
シュウの指に
しつこく
まとわり付く
アタシに
静かに
シュウは
首を振った
シュウ一人で逝くの?
アタシ一緒に行くよ!
生きてくの
限界なんだ
シュウと
一緒なら
アタシ怖くない
だから一緒に……!
シュウの手は
解けて
高く
舞い上がった
待って!!シュウ!
楓……
忘れないよ……
待って!
待って…!!
シュウ!
今までごめんね!
ごめんね……………!
シュウの顔は
眩しい
笑顔に変わった
少しの間
お別れだ…………
またな…………………
シュウ!!!!!!!
…さよなら………………
気がつくと
アタシは
仏間に
寝かされていた
熱い涙で
顔中が
酷く
ぐしゃぐしゃだった
…シュウ
いつか
また
きっと
会えるよね………?
楓
気づいた?
…(あ)
あ?
あ
あ
口が
渇ききって
声が
出ないどころか
動かすと
粘膜が
パリパリと
痛いくらいだ
今
お水持って来るから
おばあちゃんが
台所に向かった