目の前
クラクラするよぉ〜



お母さん
呼んだ覚え
ないけど?



おかーちゃんの
キツイ声色が
アタシを現実に
引き戻した

おばあちゃんの
顔も強張ってる



安心なさい
楓連れて
すぐに帰るから



おばあちゃんに
そう言われた
おかーちゃんは

アタシの腕を
ぐっと強く
掴んだ

初めて見る
おかーちゃんの
本気の目



楓は
私の子供
お母さんの
子供じゃない!!



おばあちゃんの
動きが止まった



あの時みたく
私は
楓を
お母さんには
渡さない!!



何言ってんの!
あの時
来てなかったら

楓は
死んでたかも
しれないのよ!!

感情だけで
子育ては無理!



感情だけって?
あの時
一番
落ち着いて
いなかったのは

お母さんだよ!

私の大事にしてた
楓の写真
破り棄てたの

お母さんじゃない!!



おかーちゃんの
部屋のアレだ……

破ったのは
おばあちゃん
だったんだ



お母さんが
楓を連れてってから


どんだけ
苦しんだか…
お母さん
分かる?!



おばあちゃんは
そのまま
座り込んで
黙ってしまった




おかーちゃん…
とにかくさ
アタシ

帰るよ…

アタシは
おかーちゃんが
大事だし

だから
これから
何回だって
会いに来るから…



遠いんだよ?
田舎とここは!

何回も行き来なんて
出来ないよ



それでも
アタシ
来る
絶対!

言ったよね?

おかーちゃんは
一人だけだ
って



かえちゃん…


ダメな
おかーちゃんで
ごめん…



んーん
アタシ

おかーちゃんが
おかーちゃんで
良かったよ