楓ちゃんの
存在は
間違いなく

お母さんの中では
絶大よ

楓ちゃんにも
わかる時が必ず来る

先生信じて
お母さんを
待っててあげて



しわしわの
谷口先生の手が
優しく
アタシの頬を撫でた












病室に戻ると
おかーちゃんは
眠っていた

顔に
少し赤みがさして

アタシ
ホッとする




おかーちゃんも
ひとりぼっち…
だね…

アタシもだったよ…


シュウも…

おかーちゃんの
お腹の赤ちゃんも…

一人ぼっちで
天に上がって
行っちゃった…



シュウのお墓にも
行かなきゃね…

シュウはきっと
寂しがってるね…



こんな夜は
おかーちゃんと
寄り添いたいけど

マンション帰って
入院に必要な物を
とって来るよ

今夜は
アタシも
一人

みんなと同じく
ひとりぼっちの夜を
過ごしてみるね…