私は………
私は……
……

16年前の
私じゃないわ!

あなたに捨てられて
惨めに悔し泣きなんか
もうしない!!

今の
あなたなんか
ちっとも怖くない

私…
力付けたもの…!

あなたみたいに
大会社を簡単に
手に入れたのとは
違う

私は
使えるものは
全部使って
死に物狂いで
ここまできたの…!

いまさら
昔の男に
何か言われたくらいで
私は揺らがない!



…お好きにどうぞ



敦は
面倒臭さそうに
ため息ついて
そっぽを向いた


決裂だ


こうなるなんて
思ってなかった

私は
ただ

会って
素直に
向き合いたかった
だけなのに


16年
かけても

必死で追って
別れたくないと
懇願した私から

背中を向け
離れていった敦は

やっぱり
戻っては来ない

振り返ってくれる
って

……期待したの
馬鹿みたい…………

それに
できるなら
楓を認めてほしかった

……なのに

大決裂

もうダメだ

私達
16年前に
とっくに

壊れてたんだ……














…楓



おかーちゃん?
おとーちゃん
どうだった?







おかーちゃん?



かえちゃん…
…ごめん

…敦と…

うまく話せなかった
ダメだった……



ダメって?



ケンカになった


敦の中じゃ
私は

とっくに
過去の話で
終わってた



マジで…?

でも…
もういいじゃん?

いいよそれで!



かえちゃん?



おとーちゃんなんか
いなくても
生きてけるし

アタシ
おとーちゃんが
誰か分かったから
それでいい

おかーちゃんは
昔の傷
いじることないよ

このままでいいじゃん?