おばあちゃんの
告白を聞いた
アタシとおかーちゃんは
どんな反抗も
できなくなって
しまった
おばあちゃんのは
アタシと
おかーちゃんよりも
ずっと
辛い気持ちで
いたのかも……………
おかーちゃんの
携帯が鳴った
アタシの
父親が
冬山に
入って行ったらしいと
アタシの
父親の
お母さん…
つまり
まだ見たことのない
もう一人の
おばあちゃんからの
連絡だった
咲和
どうするの?
………
おかーちゃん?
………
……
…
…行こう………!
楓
一緒に
おとーちゃんに
会いに行こう………!
おばあちゃんが
すぐ
おじいちゃんに
連絡して
アタシと
おかーちゃんは
車で駅まで
送ってもらった
車から
降りた
おかーちゃんは
立ち止まって
車内から見ていた
おばあちゃんに
目を向けた
お母さん
ごめんね……!
私
本当は
楓産むとき
何度も
お母さんに
助けてって
言おうとしたのに
怖くて
言えなかったんだ
咲和……
いい子ね……
おばあちゃんは
車から降りて
おかーちゃんを
抱きしめた
ほら
時間が無いわ
次は三人で
来なさい
お母さんね
咲和を
ちゃんと
家から
お嫁に出したいの
お母さん
ありがとう……
さ
急ぎなさい!
楓
学校には
おばあちゃんから
お休みの
連絡しておくからね
咲和をお願い
うん!
おかーちゃん
早く!
おかーちゃんは
涙を滲ませて
白い息の中
何度も後ろを
振り返りながら
駅に入った