アタシには
理解できない

いままで
どんなに
問い詰めても

アタシの
父親だけは

絶対
言わなかったのに

おかーちゃんは
なんで

アタシの
父親に

…元カレに

失踪された
くらいで

こんなに
脆く

崩れ落ちて
しまうんだろう…?



咲和
あなた
覚悟して
楓を産んだのよね?

一人になったって
楓を育てていくって


私に
そう言ったわよね?



………



大事な決断は
自分で下しなさい

楓に
これ以上
甘えるのは
止めなさい



…甘えて何が…
何が悪いのよ…!

楓は
たった一人の
私の味方よ…!



違う!
咲和
あなたは
私が産んで育てたの!!



気丈な
おばあちゃんが
おかーちゃんの前で

初めて
…泣いてる



16年前
何も知らずに
あなたの
アパートに行って

愕然とした…

咲和とよく似た
赤ちゃんが
ひどく泣いていて

散らかった
部屋には

私が送った
野菜も痛んだまま
放置してあって

自分が
大事に
大事に
育てた娘の
結末を
突き付けられたようで

胸が張り裂け
そうだった………

一人で
大きな
お腹抱えて

一人で
分娩室に入って

どんなに
心細かったことか……


いつだって
私は咲和の味方で
守るつもりで
いたのよ…!

なのに
あなたは
どんどん
心を閉ざして
遠ざかる


…咲和が
大切だったから

楓はあなたの
子供だから
例え
父親が
分からなくても
楓を家族として
迎えたの

それが
咲和の力に
なれる事なら
そうしようと
思ってた