「………正気か」
「あん?私の頭がおかしいとかいうなら喧嘩買うぞゴラ」
私の変化に気づいたらしい堀田さんは、素直に降参のポーズをとる。
「宜しい」
「扱いが酷いよベイベー」
「…反省してるんですか貴方は。そこで黙って跪座の姿勢をしなさい」
「すみませんでした」
深々と頭を下げる堀田さんに飽きた私は、わざと大きく溜息を吐いた。
可愛い子ならビクッと肩を震わせると小動物らしさが見えてくるけれど、イケメンは代用出来ないらしい。
まあそりゃそうか。
可愛さとは無縁の男が、可愛い女の子と重なるわけがない。
むしろ重なったら絶望する勢いで嫌だ。