裸で転がってるアタシ。
和樹は服を着てる。
『ねぇ、和樹。最後って……なにが?』
和樹は黙っている。
『ねぇっ?』
すると、アタシに背を向けながら言った。
『別れよう』
え…?
今…なんて??
『は?』
和樹は
『ごめんな…ゆりあ。』
そぉいいながら帰っていった。
アタシは追い掛けなかった。
だってなんか格好わるいし、もう無理だって思ったから。
そぉいえば最近会ってなかったし。
残念無念またいつか。
バイバイ。
次の日―。
学校に行くと、掲示板の所に皆が集まってる。
『なんだろ?』
理性には勝てなくて、アタシは人だかりに入り込んだ。
一生懸命人を書き分けながら、掲示板を見ると…
そこには可憐と和樹がキスしてる写真があった。
………………
…………………
……………………?
アタシは訳も分からず、ずっと写真を見つめてた。
ショックな訳じゃない
悲しい訳でもない。
そこには、
写真の脇に、
王さまゲームでKissする二人!和樹、浮気か?!
そう書いてあった。
知らなかった。
王さまゲームなんてやったんだ。
アタシだけ仲間外れなんてひどいじゃない…。
可憐…?
アタシはどうでもよくなっちゃって、教室へ向かった。
アタシの両脇では、なんか女たちが慰めてくれてたり、男たちが誘ってきたり。
ウザイんだけど。
教室に着くと、席に座って考えた。
和樹とか可憐とか色々な人たちで、王様ゲームをして、可憐と和樹がたまたまあたってキスをした。
だから可憐はおどおどしていたのね。
惚れたのかしら?
それはそうとして、和樹がアタシに別れを告げた理由は………
罪悪感
とかかしら?
真面目だし有り得そう。
ていうか、何でアタシこんな冷静なの?
もっと落ち込むでしょ。フツー。
和樹のことも、大好きだったのに?
気が付くと回りには誰もいなかった。
アタシ…寝ちゃったのかな?
外は暗くて夜になっちゃってる!
ボーッと前を見ていると、
ガラララッ
と教室のドアガ開いた。
そこに立っていたのは、
晴希。
可憐ガ好きだった人。
『やっと起きたか。』
晴希はそう言って笑い掛けた。
学校一のイケ面。
さすがにかっこいい。
『なんで晴希がいるの?』
すると晴希はまたニカッと笑い、
『ゆりあが起きるの待ってたの。』
そういった。
『つーか、帰んなくていいの?ゆりあン家、送ってってやるけど。』
『あ、ありがと。でもアタシの家誰もいないから。急がなくても平気。』
『そっかあ…。じゃぁ、俺んち来る?』
『いく』
晴希とは結構仲が良くて、家だって何度か行ったことがあった。
男友達みたいな?
学校を後にして、晴希の家に向かった。
晴希は自転車を持ちながら、遠回しに言ってきた。
『ゆりあって、今好きな奴いるの?』
きっと、和樹のことを気にしてるんだと思う。
優しいんだね。
ってか、可憐が彼氏できたって言ったとき、晴希って言ってたけど………マジなのかな?
アタシは遠回しに聞くのがめんどいから、ズバッと言った。
『アタシは今、好きな人はいない。ところで晴希、可憐と付き合ってるの?』
一瞬晴希の表情が曇った気がした。
『付き合ってるよ。一応。でも、他に好きな奴いるから。あいつにも、俺にも。』
あいつにも、俺にも。
悲しい言葉だよね。
多分、可憐の好きな人は、和樹だ。
晴希にもいたんだ。
てか、付き合ってから即こんな感じなのかな?
マジで切ない。
あ、アタシも和樹と別れたんだった。
そんなことを話しているうちに、晴希の家に着いた。
晴希は自転車を停めて、
『行こう』
そういった。
『うん。』
そしてアタシたちは、大きな家の門を潜り、中に入った。
『なんか久しぶりだなぁ。』
『そうよね。結構来てなかったし。しかし何回見ても無駄に広い。』
晴希の両親は、どちらも医者と看護婦なので、とても金持ち。
『飲み物持ってくから、先に部屋に行ってて。』
『わかった』
またまた大きな階段を登り部屋に入ってベッドにダイブした。