桃恋〜第1章
「このワシを倒すとは、貴様何者だ…」
「俺は、桃から生まれた桃太郎だ。」
「クックック…なるほどな…そりゃ強いわwまさか仏の子が相手だったとはな。最後に頼みがある…ワシの娘をもらってくれぬか?」
鬼は、最後にとんでもない事を言い出した。
「なっ…何を言ってる!?」
桃太郎は、戸惑いながらも悪くないと思ってしまった。
鬼は、桃太郎の気持ちに気づいたのか、嬉しそうに続けた。
「鬼は、強いやつに惚れる習性があってな、ワシもお前になら殺されてもいいと思っている」
ニコニコ笑う鬼に動揺を隠しきれない桃太郎。
その会話を聞いていたキジが、呆れながらくちばしを開いた。
「そんな事聞いたことないわよ?」
鬼は、苦笑して話を続けた。
「そうか?少なくともワシの一族は、自分より強いやつと結ばれてきたがな」
この時すでに桃太郎は、この鬼がなぜ人々を襲っていたのか疑問に思えた。
「なー、あんたなぜ人を襲っていたんだ?」
「ん?いやー食べ物に困って畑荒らしてたら石投げつけられてついな…ハッハッハ」
(そりゃ投げられるだろ…)
「ところで、お主なぜ刀を片付けているのだ?」
鬼に指摘されて気づくのもなんだが桃太郎は、無意識にこの鬼を殺したくないと思い刀を片付けていた。
「んーあんた良い奴だし、宝返してくれるならそのまま帰っていいかなーと思ってね」
桃太郎も笑いながら言うと、鬼は、突然怒り出した。
「ふざけるな。このワシの覚悟を無駄にする気か」
そう言うと鬼は、桃太郎の短刀を奪い自ら切腹した。
「おっ、おい何してるんだやめろよ」
「何をしておるのじゃ、父上の覚悟を無駄にする気か」
鬼の後ろから可愛らしい女の子が現れ止めようとする桃太郎を制止した。
一瞬迷ったが、これ以上苦しむ鬼の王を見ていられなかった。
「…そうだな…鬼の王よ…すまない…」
そう言って桃太郎は、鬼の王にトドメをさした。
桃太郎は、鬼の王に手を合わせると鬼ヶ島を後にした。
桃太郎は、殿様から褒美をたくさん貰うと半分は、おじいさんとおばあさんに渡した。
残りの半分で鬼の王にお墓を作ってあげようと桃太郎は、心に誓い再び鬼ヶ島にむかうのだった。
「何しに来たのよ…」
紅い着物を着た可愛らしい女の子に、迎えられた。
「鬼姫か…すまなかった」
そう言うと桃太郎は、鬼姫に土下座した。
「ふざけんなお前の顔など見たくない帰れ」
そう言うと桃太郎の頭を何度も何十回も踏みつけた。
桃太郎は、何度も意識を失いそうになる痛みに耐えた。
「ハアハア…どうしてあんたは、ここにきたの?」
鬼姫は、桃太郎を踏みつけるのをやめて聞いてきた。
桃太郎は、必死に痛みを堪えて答えた。
「鬼の…ウッ…王の墓を…建ててやりたいと思ってな」
それだけ答えると桃太郎は、気を失ってしまった。
気がつくと桃太郎は、鬼姫の家に居た。
「ここは?」
意識を取り戻した桃太郎が辺りをキョロキョロしながら聞くと鬼姫が答えてくれた。
「ここは、私の家よ、あんたの言葉に嘘が無いかしっかり見張るために置いてあげてるの」
そこは、家と言えるようなものでは、なく。どちらかと言うとそこは、洞窟だった。
「お前、ここに1人で住んでるのか?」
「そうよ、誰かさんに、お父さんを殺されちゃったからね」
カタンッ
不機嫌そうに、焼いたさかなが乗った木の皿を桃太郎の前に差し出してきた。
「これ?たべていいのか?」
桃太郎が尋ねると、「いらないなら、あたしが食べるから」
そう言って鬼姫は、桃太郎の魚を丸呑みしてしまった…
「あっ…」
「ん?何?」
さも当然のことを、したかのようにシレッと返す鬼姫。
一人娘で大事にされてきた彼女にとって空気を読むと言うことは、不可能なのだ。
(腹減ったな…)
そんな事を考えながら桃太郎は、腰に手を回すとそこには、おなじみのきびだんごが…
(そう言えば、ばあちゃんが鬼のみんなとお食べって持たせてくれたっけな…)
「鬼姫さん。きびだんご食べるか?」
桃太郎は、きびだんごを1つ取り出して鬼姫に見せた。
「なっ…この私をダンゴで落とそうとかふざけてるの?」
(そんなつもりは、ないのだが…)
「美味いから食えって」
桃太郎は、鬼姫の口の中にきびだんごを押し込んだ。
「あんた何を…(えっ?なにこれきな粉が口の中で優しく広がりその後にお餅の弾力と甘みが…)はにゃ〜ん♡」
「可愛いな…」
鬼姫が余りにも幸せそうに食べる物だから、桃太郎は、つい本音を言ってしまった。
「なっ…かっ…可愛いとか褒めたって何もやらぬぞ。そ…それよりもっとよこせ」
鬼姫は、桃太郎の腰からきびだんごを奪うと立ち去って行った。
鬼の王の一人娘として大事に育てられる一方で皆から尊敬と畏怖の目で見られ続けた鬼姫にとってストレートに可愛いなどと言われたのは、初めての体験だったのだ。
(何故なんだ。あの男に可愛いって言われてから胸のドキドキが止まらない…)
鬼姫は、胸のドキドキを抑えるためにきびだんごを口いっぱいにほおばった。
もぐもぐ〜
はにゃ〜ん♡
(うむ…このきびだんごとやらは、実にうまい)
そんな事を考えているとお腹が大きくなり気づいたら鬼姫は、眠っていた。
チュンチュン…
小鳥の声で目覚めた鬼姫は、自分に桃太郎が着ていた服をかけられている事に気づいた。
(ん?なぜあやつの服が?)
「おはよう、よく眠れたか?」
そう聞いてくる桃太郎は、薄着で少し寒そうにしていた。
「…お主なぜ私に、服をかけた?寒そうでは、ないか」
震える桃太郎に呆れるように問う鬼姫。
しかし桃太郎は、笑顔で、「だって女の子に風邪引かせるわけに行かないじゃん」
と返してきた。
(やれやれ…私は、鬼だし風邪などひかぬというのに…)
鬼姫は、何となく胸が温かくなった気がした。
「あっ…ありがとう…」
ささやくような声でお礼をいう鬼姫。
「どういたしまして」
桃太郎は、笑顔で答えた。
しかしこの時桃太郎のお腹は、空腹で限界だった。
ぐぅー
「あっはっはっはっはっ」
鬼姫に大笑いされ桃太郎は、恥ずかしい気持ちでいっぱいだった。
でも同時に笑ってる顔は、もっと素敵だなと心から思う桃太郎であった。
「すぐに獲物を狩ってくる。」
そう言って鬼姫は、走り去って行った。
「このワシを倒すとは、貴様何者だ…」
「俺は、桃から生まれた桃太郎だ。」
「クックック…なるほどな…そりゃ強いわwまさか仏の子が相手だったとはな。最後に頼みがある…ワシの娘をもらってくれぬか?」
鬼は、最後にとんでもない事を言い出した。
「なっ…何を言ってる!?」
桃太郎は、戸惑いながらも悪くないと思ってしまった。
鬼は、桃太郎の気持ちに気づいたのか、嬉しそうに続けた。
「鬼は、強いやつに惚れる習性があってな、ワシもお前になら殺されてもいいと思っている」
ニコニコ笑う鬼に動揺を隠しきれない桃太郎。
その会話を聞いていたキジが、呆れながらくちばしを開いた。
「そんな事聞いたことないわよ?」
鬼は、苦笑して話を続けた。
「そうか?少なくともワシの一族は、自分より強いやつと結ばれてきたがな」
この時すでに桃太郎は、この鬼がなぜ人々を襲っていたのか疑問に思えた。
「なー、あんたなぜ人を襲っていたんだ?」
「ん?いやー食べ物に困って畑荒らしてたら石投げつけられてついな…ハッハッハ」
(そりゃ投げられるだろ…)
「ところで、お主なぜ刀を片付けているのだ?」
鬼に指摘されて気づくのもなんだが桃太郎は、無意識にこの鬼を殺したくないと思い刀を片付けていた。
「んーあんた良い奴だし、宝返してくれるならそのまま帰っていいかなーと思ってね」
桃太郎も笑いながら言うと、鬼は、突然怒り出した。
「ふざけるな。このワシの覚悟を無駄にする気か」
そう言うと鬼は、桃太郎の短刀を奪い自ら切腹した。
「おっ、おい何してるんだやめろよ」
「何をしておるのじゃ、父上の覚悟を無駄にする気か」
鬼の後ろから可愛らしい女の子が現れ止めようとする桃太郎を制止した。
一瞬迷ったが、これ以上苦しむ鬼の王を見ていられなかった。
「…そうだな…鬼の王よ…すまない…」
そう言って桃太郎は、鬼の王にトドメをさした。
桃太郎は、鬼の王に手を合わせると鬼ヶ島を後にした。
桃太郎は、殿様から褒美をたくさん貰うと半分は、おじいさんとおばあさんに渡した。
残りの半分で鬼の王にお墓を作ってあげようと桃太郎は、心に誓い再び鬼ヶ島にむかうのだった。
「何しに来たのよ…」
紅い着物を着た可愛らしい女の子に、迎えられた。
「鬼姫か…すまなかった」
そう言うと桃太郎は、鬼姫に土下座した。
「ふざけんなお前の顔など見たくない帰れ」
そう言うと桃太郎の頭を何度も何十回も踏みつけた。
桃太郎は、何度も意識を失いそうになる痛みに耐えた。
「ハアハア…どうしてあんたは、ここにきたの?」
鬼姫は、桃太郎を踏みつけるのをやめて聞いてきた。
桃太郎は、必死に痛みを堪えて答えた。
「鬼の…ウッ…王の墓を…建ててやりたいと思ってな」
それだけ答えると桃太郎は、気を失ってしまった。
気がつくと桃太郎は、鬼姫の家に居た。
「ここは?」
意識を取り戻した桃太郎が辺りをキョロキョロしながら聞くと鬼姫が答えてくれた。
「ここは、私の家よ、あんたの言葉に嘘が無いかしっかり見張るために置いてあげてるの」
そこは、家と言えるようなものでは、なく。どちらかと言うとそこは、洞窟だった。
「お前、ここに1人で住んでるのか?」
「そうよ、誰かさんに、お父さんを殺されちゃったからね」
カタンッ
不機嫌そうに、焼いたさかなが乗った木の皿を桃太郎の前に差し出してきた。
「これ?たべていいのか?」
桃太郎が尋ねると、「いらないなら、あたしが食べるから」
そう言って鬼姫は、桃太郎の魚を丸呑みしてしまった…
「あっ…」
「ん?何?」
さも当然のことを、したかのようにシレッと返す鬼姫。
一人娘で大事にされてきた彼女にとって空気を読むと言うことは、不可能なのだ。
(腹減ったな…)
そんな事を考えながら桃太郎は、腰に手を回すとそこには、おなじみのきびだんごが…
(そう言えば、ばあちゃんが鬼のみんなとお食べって持たせてくれたっけな…)
「鬼姫さん。きびだんご食べるか?」
桃太郎は、きびだんごを1つ取り出して鬼姫に見せた。
「なっ…この私をダンゴで落とそうとかふざけてるの?」
(そんなつもりは、ないのだが…)
「美味いから食えって」
桃太郎は、鬼姫の口の中にきびだんごを押し込んだ。
「あんた何を…(えっ?なにこれきな粉が口の中で優しく広がりその後にお餅の弾力と甘みが…)はにゃ〜ん♡」
「可愛いな…」
鬼姫が余りにも幸せそうに食べる物だから、桃太郎は、つい本音を言ってしまった。
「なっ…かっ…可愛いとか褒めたって何もやらぬぞ。そ…それよりもっとよこせ」
鬼姫は、桃太郎の腰からきびだんごを奪うと立ち去って行った。
鬼の王の一人娘として大事に育てられる一方で皆から尊敬と畏怖の目で見られ続けた鬼姫にとってストレートに可愛いなどと言われたのは、初めての体験だったのだ。
(何故なんだ。あの男に可愛いって言われてから胸のドキドキが止まらない…)
鬼姫は、胸のドキドキを抑えるためにきびだんごを口いっぱいにほおばった。
もぐもぐ〜
はにゃ〜ん♡
(うむ…このきびだんごとやらは、実にうまい)
そんな事を考えているとお腹が大きくなり気づいたら鬼姫は、眠っていた。
チュンチュン…
小鳥の声で目覚めた鬼姫は、自分に桃太郎が着ていた服をかけられている事に気づいた。
(ん?なぜあやつの服が?)
「おはよう、よく眠れたか?」
そう聞いてくる桃太郎は、薄着で少し寒そうにしていた。
「…お主なぜ私に、服をかけた?寒そうでは、ないか」
震える桃太郎に呆れるように問う鬼姫。
しかし桃太郎は、笑顔で、「だって女の子に風邪引かせるわけに行かないじゃん」
と返してきた。
(やれやれ…私は、鬼だし風邪などひかぬというのに…)
鬼姫は、何となく胸が温かくなった気がした。
「あっ…ありがとう…」
ささやくような声でお礼をいう鬼姫。
「どういたしまして」
桃太郎は、笑顔で答えた。
しかしこの時桃太郎のお腹は、空腹で限界だった。
ぐぅー
「あっはっはっはっはっ」
鬼姫に大笑いされ桃太郎は、恥ずかしい気持ちでいっぱいだった。
でも同時に笑ってる顔は、もっと素敵だなと心から思う桃太郎であった。
「すぐに獲物を狩ってくる。」
そう言って鬼姫は、走り去って行った。