「ボーっと突っ立って何してんの?瞑想???いや、妄想か???」

ゲラゲラ笑いながら肩に手を置かれる。

肩の手に引かれるように

傾げていた首のまま、目線を地面から少しずつあげる。

真っ白なスニーカーにデニムスカート、整った輪郭にアッシュブラックの髪。

清楚な顔付きとは似つかわしくない言葉使いと雰囲気。

それでも梨沙が近くに来ると華の香りがする。
…気がする。。。

空気が一瞬雪解けた感じ。。。


「うん。その、なんていうか、自分なりの決意…をね。」


「…は?なにそれ。とりあえずさ。ね。今日も頑張ろう!行こっ!!!」


よくわからない私の反応に苦笑いするかのように理沙は私の手を引いて校門を抜けた。


これは、ほぼ毎日の日課だ。

私一人では、なかなか校門を抜けることができない。


それがお嬢様活動のせいだとは思っていない


…だけど。
お嬢様活動をしていなければ、きっとこうはならなかった…。



小さい頃はマセてる。ってだけで終わってた。

いつの頃からか、スカートしか着ないって理由で、女子から紫外線の様な目線を配られた。

なんだろう。

痛いわけじゃないし、特にいきなり害があるわけでもない。
でも時間が経つと、ジワジワとなんか来る感じ!

まさにそんな視線。


それがいつしか男子にも感染。

女子が紫外線なら、年頃の男子はレーザー光線。

どんな遠いとこからでも私を見付けて一直線撃ち抜いて来る。
その光が私に刺さった瞬間、私はいつも一人孤独を感じる。
胸の中は焦げ臭く傷つくのだ。



それでも私は、凛としなければならない。

なれっこないとわかった今でも私のテーマは「お嬢様だ!」