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その日の夕刻。

夕餉が運ばれ、大王が現れた。

私は夕餉をいただきながら、昨日と今日の事を話した。

「他のお妃様方は、どうやら大王が私を
寵愛なさっていると勘違いをされている
ようなのです。
決して私が寵愛されているのではない事を
大王からはっきりとおっしゃっていただけ
ませんか?」

「………アヤはそれで良いのか?」

大王は真剣な眼差しでまっすぐ私を見る。

「?
もちろんです。」

私はなぜわざわざ確認されるのか分からず、首を傾げて返事をすると、なおも大王は確認する。

「………それを言うのは、昼間ではないぞ?
分かって言ってるのか?」


………っ!
大王がお妃様に会われるのは、夜の寝所…

大王の言葉を頭の中で反芻して、ようやく大王の言わんとしている事に思い当たった。


針子が言っていた。
大王はもうずっと他のお妃様の所へはお通いではないと。

それを私のために、再びお通いになられる…と、そう言ってるの?