「......なぁ、南。」
なんか、懐かし......名前呼ぶの。
あとさ、俺がさっき言った言葉の意味分かってんの?
「は、はい!」
後ろから少し頬が緩んでいるのがみえる。
......俺は、まだ期待していい?
もし、俺が思うような展開じゃなくなっても、もう離すのは無理だけどね。
「俺、さっき勘違いしたままでいいよって言ったじゃん?」
「......はい」
「それ、どういう意味か分かってる?」
「......えっ」
はぁ〜、もうこの反応。絶対、分かってない。
普通、もう分かると思うだけど......。
目の前の南は必死に悩んでるみたい。
天然なのか鈍感なのか分からないそういうとこも可愛いと思ってしまう俺は、きっと重症だ。
どうせなにも返答なんて返ってこないと思っていたら、
「......え、えっとこのままか、彼女がいるって勘違いしててってことですか?」
天然としか思いようがない答えが返ってきた。
そんな方向に、どうやったら頭がいくの?
「......はぁ〜」
もう、ため息しか出ない。
わざわざ、そんなこと言うわけないじゃん。