「......なんで、俺の言葉聞かずに、帰ろうとするわけ?」



......ほんと、余裕ねぇな俺。

どうにかして、引き止めておこうとしてるし。


後ろから抱きしめて良かった。

絶対、今見せられない顔してるわ。



「......そ、それは」




「......それは?なに?」



しっかり言ってもらうまで、離さないから。


まぁ、言ったとしても離すつもりなんてさらさらないけど。


南は、俺の圧に負けたのか、、、


「......朔先輩の口から、彼女いるって言葉聞きたくなかったからですよ!」



そう口にした。



「......はぁ」



思わずため息が出る。

なんでそこだけ勘違いしてんだよ。


1番、しちゃダメなとこなんだけど。

南の勘違いで、俺が避けられるとか本当に気に食わない。


ずっと勘違いしてたんだろうけど、



「俺、彼女なんていないけど......」



南の体がビクッと揺れた。

まさかの返答にびっくりしたんだろう。

わかりやすい反応に笑いそうになるのを堪える。

そういうとこほんと可愛すぎ。


その言葉にどんな気持ちになった?


ほんとにずっと南の勘違いだったんだけど。